【徹底解説】国内線特典航空券 JALとANAでの違い一覧

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国内線特典航空券 JALとANAでの違い一覧

この記事で紹介する内容

JALとANAで特典航空券に関してのルールに意外な違いがあります。当日の変更に関する規則など、知らないと当日空港で困ってしまうものもあります。今回は知っておくべき両社の違いをまとめてご紹介します。

特典航空券の利用条件一覧

JAL、ANAそれぞれの特典航空券の主な利用条件で違う点をまとめました。(これで全てではありません)

左列のクリックでそれぞれの項目ごとの詳細にとぶことができます。

JALANA
対象クラス普通席・クラスJ
(ファーストクラス設定なし)
普通席
(プレミアムクラス設定なし)
アップグレード当日空港にて可 搭乗2日前0:00からwebで可能
(当日空港でも可)
予約開始日搭乗日の330日前の09:30運航ダイヤ期間ごとの一斉発売開始後
当日の出発時刻のより早い便への変更空港チェックインカウンターにて変更可能不可
空港の変更羽田⇔成田・伊丹⇔関西⇔神戸間・福岡⇔北九州間を同一空港とみなし変更可能 羽田⇔成田・伊丹⇔関西⇔神戸間を同一空港とみなし変更可能
※福岡⇔北九州間 は不可
払い戻し手数料 3100円(税込・日本円) 3000マイル
必要マイル数の季節変動なしL,R,Hの3種類のシーズンで変動
乗り継ぎ時の特例なし那覇乗り継ぎで沖縄離島路線利用の場合
国内線旅客施設使用料マイルで支払い
対象外の券種あり
円で支払い
特典予約枠の拡張いつでも特典航空券なし
主なキャンペーンどこかにマイル
JALカードnavi会員減額マイルキャンペーン
トクたびマイル
ANAにキュン!減額マイルキャンペーン
上級会員の予約優先先行予約
ダイヤモンド特典航空券(特典航空券に空席がない場合でも追加マイルで予約可能)
※空席待ち不可
先行予約
空席待ち
2021/11/11現在の代表的なものを抜粋

それぞれの違い

対象クラス

ANAで特典航空券として予約できるのは普通席のみで、プレミアムクラスを予約することはできません。なお、特典航空券も一般の航空券と同様に普通席からプレミアムクラスへのアップグレードが可能です。

JALの場合、普通席に加えてクラスJも特典航空券として予約可能ですが、同じ区間の普通席の必要マイル数に加えて2000マイルが必要になります。また、ANAと同様に、特典航空券でも普通席からファーストクラス、クラスJへのアップグレードが可能です。

アップグレード

先述した通りANAでもJALでも普通席の特典航空券をアップグレードすることが可能です。

一般の航空券でも同じルールですが、JALは当日空港でのみアップグレード手続きが可能なのに対しANAでは2日前の0:00からweb上でアップグレード手続きが可能です。

予約開始日

JALの特典航空券は搭乗日の330日前の09:30から予約できます(一般販売)。

ANAは「何日前」という指定ではなく、「運航ダイヤ期間ごとの一斉発売開始後」となっています。「運航ダイヤ期間ごとの一斉販売」とは、1年を「夏ダイヤ」と「冬ダイヤ」の2期間に分けてそれぞれの期間内の便は全て同じ日に予約を開始するということです。

  • 夏ダイヤ(3月の最終日曜日~10月の最終日曜日の直前の土曜日):1月下旬頃受付開始予定
  • 冬ダイヤ(10月の最終日曜日~翌年3月の最終日曜日の直前の土曜日):8月下旬頃受付開始

2021年の場合、受け継可開始日の例は次のようになります。JALのほうが大幅に早く予約が開始されます。また、ANAは搭乗日が違っても予約開始日が同じになる場合があります

4/10搭乗分9/10搭乗分11/10搭乗分翌1/10搭乗分
JAL前年5/15前年10/15前年12/152/14
ANA1/261/268/318/31
一般販売の日程

これに加えて上級会員には先行予約の特典があります。詳しくは下で紹介しています。

当日の変更

JAL・ANA両社ともに変更期限は基本的に、元の予約便の出発前かつ変更先の便の出発日の前日までです。しかし、当日早めに空港に着いたときにより早い便へ変更できるか否かに違いが出ます。

JALは当日空港カウンターでより早く出発する便に変更できる一方、ANAは便を早めることはできません

ANAも2018年までは当日の変更ができたものの、現在ではできなくなっているので注意が必要です。

当日空港で早く出発する便に変更できるのはJALだけ(ANAは変更不可)

空港の変更

特典航空券は基本的に日時のみ変更可能で区間や方向の変更はできません。しかし同じ地域の空港であれば同じ空港とみなして発着空港を変更することができます。

  • JAL:羽田⇔成田・伊丹⇔関西・福岡⇔北九州間で変更可能
  • ANA:羽田⇔成田・伊丹⇔関西⇔神戸間で変更可能

ANAの特典航空券では福岡⇔北九州間の変更ができません。ANAはJALと同じく福岡空港と北九州空港にも便の設定がありますが、これらの空港間での変更は受け付けられません。ただし、特典航空券ではなく一般の航空券であれば、上の範囲に加えて福岡⇔北九州⇔佐賀間、さらには広島⇔岩国間でも変更が可能になります。

なおJALでは福岡⇔北九州の変更をする際にはwebで手続きができず、電話での申し込みが必要になります。

払い戻し手数料

ANAとJALで特典航空券の払い戻し手数料の支払い方が異なります。

JALはクレジットカードで3100円の手数料を支払うと予約時に支払ったマイルが返還されます。

一方でANAの払い戻し手数料は3000マイルとなっており、予約時に支払ったマイル数から3000マイル引かれたぶんが返還されます。ただしキャンペーンなどで3000マイル以下で予約した場合、追加のマイルの徴収はありません。また、予約時にクレジットカードで支払った旅客施設使用料は全額返金されます。

払い戻し手数料はJALはクレジットカード払い、ANAではマイルで徴収

必要マイル数の季節変動

JALは1年を通して区間ごとの必要マイル数は同じですが、ANAは1年を3シーズンに分けて同じ区間でもシーズンによって必要マイル数が変動します。簡単にいえば閑散期・通常期・繁忙期に分けて空いている時期は安く、混んでいる時期は高く設定されています。

ANAでは閑散期をL(ローシーズン)、通常期をR(レギュラーシーズン)、繁忙期をH(ハイシーズン)としています。それぞれのシーズンはおおむね次の期間となっています。

ハイシーズン春休み(3月下旬)・ゴールデンウィーク・夏休み(8月なかば)・年末年始
ローシーズン1~2月(年始除く)・4月(GW除く)・12月(年末除く)
レギュラーシーズン上記以外

それぞれの時期での主な路線の必要マイル数を比較すると以下のようになります。

JAL(通年)ANA(L)ANA(R)ANA(H)
東京~大阪6000500060007500
東京~札幌7500600075009000
東京~那覇75007000900010500
東京~石垣1000085001000011500

なおANAとJALでは、必要マイル数が上がる距離が異なるので必要マイル数は公式ページで確認する必要があります。(ANAシーズン・必要マイルチャート/JAL必要マイル早見表

乗り継ぎ時の特例

ANAでは那覇空港乗り継ぎで宮古・石垣へ向かう旅程の往復全4区間を利用する場合に限り、4区間をばらばらに特典航空券として発見する場合よりも少ないマイル数で発券することができます。

詳しくは公式サイトでご確認ください。

国内線旅客施設使用料

支払い方法の違い

JALでは2021年10月31日申し込み分から、ANAでは2021年10月31日搭乗分(かつ同8月29日以降発券分)から特典航空券を利用する際に区間ごとに設定された必要マイル数に加えて国内線旅客施設使用料が追加で徴収されるようになりました。(詳細はこちら JAL/ANA)

ほぼ同時期に徴収がスタートしましたがその支払い方法が異なり、JALは追加マイルで、ANAはクレジットカードでの支払いとなっています。

それぞれの旅客施設使用料は次のようになっています。

JALANA
新千歳270マイル270円
仙台230マイル230円
羽田290マイル290円
成田290マイル450円
中部440マイル440円
伊丹260マイル260円
関西260マイル440円
福岡110マイル110円
北九州100マイル100円
那覇120マイル120円

対象空港は両社で同じです。また施設使用料の値も多くの空港で同じ数字になっており、その単位がマイルか円かの違いになっています。払い戻し手数料はJALがクレジットカード払いでANAがマイル払いですが、施設使用料はその逆になっているのが不思議なところです。

国内線旅客施設使用料はJALは追加マイルでの支払い、ANAはクレジットカードでの支払い

施設使用料対象となる特典航空券の違い

JALでは施設使用料支払いの対象外となっている特典航空券があります

  • どこかにマイル
  • おともdeマイル割引のマイルを利用した航空券
  • JAL国際線特典航空券およびワンワールド特典航空券の国内線区間

ANAは基本的にすべての特典航空券に対して施設使用料が必要となります

ANAにもJALのおともdeマイル割引にあたる「いっしょにマイル割」がありますが、こちらも施設使用料が必要になっています。また国際線特典航空券の国内線区間についても同様です。

同じような航空券でも、ANAでは国内線旅客施設使用料が必要になるの一方でJALでは必要ない場合がある

予約枠の拡張~JALの「いつでも特典航空券」~

JALでは2021年11月1日申し込み分から、一般会員でも追加マイルを支払うことで特典航空券の枠が満席でも飛行機に空席が残っていれば特典航空券を予約できるいつでも特典航空券」がスタートしました。

ANAには同様の制度はありません。

また、JALには従来よりダイヤモンド会員向けに同様のサービスを「ダイヤモンド特典航空券」として提供してきましたが、こちらは今後も続きます。一般会員でも予約可能な「いつでも特典航空券」よりも「ダイヤモンド特典航空券」のほうが少ないマイル数で予約可能なので、ステータスを持っている方は今後も「ダイヤモンド特典航空券」を使った方がお得です。

必要マイル数は下のようになります。

通常の必要マイル数「いつでも特典航空券」利用時「ダイヤモンド特典航空券」利用時
6000マイル13000マイル12000マイル
7500マイル24000マイル15000マイル
10000マイル40000マイル20000マイル
※旅客施設使用料別

詳しくはこちらの記事で解説しています。

キャンペーン

それぞれの主なキャンペーンを簡単にまとめると次のようになります。

キャンペーン会社特徴
どこかにマイルJAL行先はランダム
JALカードnavi会員減額マイルキャンペーンJAL学生のみ
トクたびマイルANA対象路線は週替わり
ANAにキュン!減額マイルキャンペーンANA年に数回のみ

上級会員の優先

予約時における上級会員向けのサービスの違いは次のようになります。

JALANA
先行予約JMBダイヤモンド会員・JGCプレミア会員ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンド会員
スーパーフライヤーズカード会員・ANAカード会員
ANAマイレージクラブモバイルプラス会員
空席待ち不可ダイヤモンド会員
その他JMBダイヤモンド特典航空券
(特典航空券に空席がない場合でも追加マイルで予約可能)
先行予約

JALではJMBダイヤモンド会員とJGCプレミア会員に限り、特典航空券の予約開始が通常よりも4日早い334日前から可能になります。JMBダイヤモンド・JGCプレミアはかなり高位のランクで、これ以外にもラウンジが使えるようになるJMBサファイアやJGCなどもありますが、特典航空券の優先予約対象となるのはダイヤモンド、JGCプレミアのみです。

ANAは一般のANAカード会員からダイヤモンド会員まで幅広く先行予約サービスが用意されています

2021年冬ダイヤの特典航空券の販売開始日は次のようになっていました。

発売開始日発売開始時刻
一般販売2021年8月31日15:00
ANAカード会員
AMCモバイルプラス会員
2021年8月30日13:00
ブロンズ・プラチナ会員
スーパーフライヤーズカード会員
2021年8月29日11:00
ダイヤモンド会員2021年8月29日09:30

ダイヤモンド会員で2日、一般のANAカードを持っている会員で1日前から予約できるようになっています。

  • JALはJGCプレミア・ダイヤモンド会員のみ、4日早く予約受付
  • ANAは一般のANAカード会員からダイヤモンド会員まで幅広く対象で1~2日早く予約開始
空席待ち

JALはJGCプレミアやダイヤモンド会員含め特典航空券の空席待ちサービスはありません

ANAではダイヤモンド会員のみ特典航空券の空席待ちが受け付けられます。「ダイヤモンドサービス」デスクにて申し込みが可能です。空席待ちは予約開始から搭乗日の2週間前まで申し込み可能で、申し込みの2週間後または搭乗日の2種間前どちらか早い方の日まで空席待ちの状態が維持されます。

  • JALは空席待ち不可
  • ANAはダイヤモンド会員のみ、「ダイヤモンドサービス」デスクにて受付
JMBダイヤモンド特典航空券

JMBダイヤモンド特典航空券とは、特典航空券に割り当てられた座席が全て売り切れてしまった場合でも、その便に空席が残っていた場合区間の必要マイル数の2倍支払うことで特典航空券を予約できるダイヤモンド会員向けサービスです。

より多くのマイルを支払うことで特典航空券の枠を拡張できる、ANAにはないサービスとなっています。マイルが余っていれば年末年始などの繁忙期にマイル消化もかねて使ってみても良いサービスでしょう。

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